第54回日本神経精神薬理学会 第34回日本臨床精神神経薬理学会 合同年会 ウェルビーイングを目指した神経精神薬理学-関わる全ての人々がこころを合わせるとき-

ご挨拶

第54回日本神経精神薬理学会 大会長
富山大学薬学部薬物治療学研究室
新田 淳美

第54回日本神経精神薬理学会年会を2024年5月24-26日の3日間、東京国際フォーラムで実施致します。本年会は、第34回日本臨床精神神経薬理学会(渡邊衡一郎大会長)と合同にて行われ、プログラム委員会も1つとして、臨床医と基礎研究者、また、創薬に関わる製薬企業、加えて行政や患者の方々が1つの和となることを目指しています。また、国際神経精神薬理学会(Collegium Internationale Neuro-Psychopharmacologicum; CINP, 池田和隆年会長)との同時開催です。

国内2学会のキャッチフレーズを「ウェルビーイングを目指した神経精神薬理学 - 関わる全ての人々がこころを合わせる時-」とし、医師・薬剤師・看護師・公認心理師等の医療者、研究者、製薬企業、患者・その家族や周囲の方々および行政等、精神神経疾患の治療に関わる人々のこころが1つになるために本学会の開催が一助となることを期待するものです。このような、みんなで精神疾患の治療に立ち向かうという考え方は、一緒に大会長をしてくださる杏林大学・渡邊衡一郎先生と事務局長の坪井貴嗣先生から教えていただいたもので、平素は、薬学部で研究活動をしている私にはとても斬新なものでしたが、研究者の原点に戻る重要な考え方であると思いました。

精神疾患が、医療計画に盛り込むべき5大疾患に加えられて、10年以上が経過しています。その間、神経精神薬理学分野の研究は、基礎・臨床両面で、画期的に発展してきています。本分野の研究者がAll Japan で集い、最先端の研究に関して情報交換をし、新しい診断方法の確立と新規治療薬の開発をする機会になって欲しいと思っています。パンデミックのため情報交換の手段が限定的だった期間を誰もが経験していますが、CINPとの同時開催であることを活用し、パンデミックの期間の情報交換不足を補えるよう、国や世代を越えた人脈・ネットワーク作りに役立つことを願っています。特に、薬学生や医学生、研修医、若手研究者が世界トップの臨床・基礎の研究者と直接、議論する場を提供できれば、少しだけ年齢が高くなった者として、大きな喜びです。

交通アクセスが良好な東京国際フォーラムでの開催でもありますし、新緑の美しい季節でもあります。日本全国の医療者・研究者・当事者・行政・創薬に携わる全ての方々が一致団結することで、こころ健やかな世界が築かれるために、皆様、お誘い合わせの上、ご参加の程、お願い申し上げます。

第34回日本臨床精神神経薬理学会 大会長
杏林大学医学部精神神経科学教室
渡邊 衡一郎

この度、2024年5月24日-26日に開催されます第34回日本臨床精神神経薬理学会の大会長を拝命しました杏林大学の渡邊です。第34回Collegium Internationale Neuro-Psychopharmacologicum(CINP)池田和隆大会長、第54回日本神経精神薬理学会新田淳美大会長という大変頼もしい先生方と共に本会を盛り上げていきたいと考えております。

CINPのテーマが「ウェルビーイング」ということで、国内学会は「ウェルビーイングを目指した神経精神薬理学 」、副題として、「関わる全ての人々がこころを合わせる時」としました。

2022年、臨床系では世界最高峰の英国ランセット誌に、世界精神医学会より「うつ病宣言」が発表されました。そこでは、うつ病に関して、当事者、医療従事者、研究者、そしてステークホルダー皆が一致団結して問題解決に取り組もうという強いメッセージが込められていました。うつ病を異なる視点で捉えるという考え方は、これまで私の知るところでは無く大変大きなインパクトを与えられ、同時に臨床精神神経薬理分野にも通じる重要な観点であり、意識を新たにしました。

今回の東京大会においても、我々臨床精神神経薬理に係る研究者や医療従事者だけでなく、研修医や医学生、そして当事者の方など、様々な立場の方に参加していただき、「ウェルビーイング」に向けた様々な意見を発信していただける機会を設ける予定です。また、最先端の研究やトピックをはじめ、明日からの臨床に役立つ知識など、幅広いニーズを網羅する会にしたいと考えております。

例年と異なり、今回は東京国際フォーラムにて5月の開催となります。5月の東京は緑が映え、梅雨前で気候も穏やかで、最も美しく過ごしやすい季節の一つです。

是非お誘いあわせの上、ご参加ください。